自分の夢を叶えたい!-未経験でも独立して自分の飲食店を出すためにはどうしたらいいか調べてみた-
飲食店の開業は、他業種の独立開業に比べて敷居が低く、業界未経験でも出店ができるのがメリットかと思います。
しかし、業界未経験で開業するのはなかなかハードルが高いのは間違いありません。
趣味で調理をしている程度のレベルでは開業後に苦労する場面が多々あります。
さらに、飲食店の入れ替わりのスピードは早く、競争が激しいので、調理のレベルが高いからと言って生き残れるわけではないのです。
そこで、飲食業界未経験者が独立開業するにはどのような方法があるのかをこれから詳しく紹介していきます。
飲食未経験でも飲食店に転職したい方、もちろん、飲食店で働いていて独立をめざしている方にもわかりやすくお話ししていければと思います。
飲食店を出すために必要な経費はいくらなのか?
飲食店を開業するために必要な資金は、お店の規模や業態などによって異なりますが、ひとつの答えとして、お金はあればあるほど理想のお店に近づけることが可能です。
とはいえ、それでは答えにならないので、ひとつずつ紹介しましょう。
なお、飲食店の開業に関わる用語として、居抜き物件とスケルトン物件がありますが、それぞれは以下のような違いがあります。
【居抜き物件】
飲食店が閉店して内装や設備がそのまま残っている、あるいは一定程度残っている物件を居抜き物件と呼びます。
【スケルトン物件】
内装が全く残っていない物件で、コンクリート造の建物なら壁や柱などがむき出しのグレー一色の殺風景な状態です。
開業する場合、居抜き物件は割安で、スケルトン物件は居抜き物件の数倍かかるケースもあります。
この点を踏まえ、個人が開業すると想定した場合のそれぞれの費用を見ていきましょう。
物件取得費
店舗物件を手に入れるために必要な費用です。
賃貸のアパートやマンションのように、礼金や仲介手数料、保証金などが必要です。
一般的に、礼金や保証金、前家賃が1カ月分、保証金は契約内容によって6カ月~1年分が必要です。
また、居抜き物件で開業する場合は造作譲渡費がかかります。
造作譲渡費とは、居抜き物件に残っている内装や各種設備を新しい借主が買い取るための費用で、0~数百万円など物件によってさまざまです。
内外装工事費
店舗の内外装工事、看板工事などにかかる費用で、主にスケルトン物件にかかる費用です。
一般的な相場は1坪(約3.3㎡)当たり20~50万円ですが、地域性や業態、社会情勢で変わるので目安程度に考えておいてください。
たとえば、東日本大震災当時は、内装業者の人件費が2倍以上に跳ね上がりました。
また、看板工事費は看板の大きさに比例して高額になると考えておけば良いでしょう。
個人で開業するなら30万円程度の予算を最低ラインとして見ておくことをおすすめします。
設備工事費
スケルトン物件の場合、電気・水道・ガス・ダクト工事も大がかりになります。
一般的に、内外装工事費のなかに含めて計算する部分ですが、厨房周りの水道工事とダクト工事に費用の多くを費やすことになるでしょう。
ちなみに、焼き肉店を開業するなら特別な空調設備が必要になるので、工事費はさらに高額になりますので注意です。
什器・設備費
主な費用として、厨房機器、食器類、家具類、レジ費用があります。
まず、厨房機器費用は120万円~200万円程度を見ておけばある程度の広さの店舗で豊富なメニューがあっても対応できます。
食器・家具類は、厨房側で使用する食器棚や盛り付け台、レジ台などは商品提供を円滑にするためにも使い勝手が良いものを中心に選ぶ必要があります。
また、客席側で使用するテーブルや椅子は、お店のコンセプトに合わせて用意しましょう。
金額はトータルで30万円程度は見ておきたいところです。
開業前人件費
一人営業でスタッフを雇わないなら人件費はかかりませんが、スタッフを雇用するなら開業前から業務に入ってもらうため人件費が発生します。
スタッフを雇用すると決めた場合、店舗オーナーも未経験ということもあり、お店の運営に深く関わってくる人材を雇用するはずです。
できるだけ多くの業務を学んでもらうことになるため、開業前とはいえ人件費を節約しないほうがスムーズに開業できます。
運転資金
飲食業経験の有無にかかわらず、開業後にすぐにお店を軌道に乗せるのは簡単ではありません。
日本政策金融公庫の資料を見ると、開業後軌道に乗るまで半年以上かかっている人が6割ほどいるので、最低でも半年から1年程度は赤字でもやっていけるだけの資金を用意しておくのが無難です。
具体的には、1カ月分の食材費・人件費・家賃をプラスした金額の半年から1年分が目安になります。
たとえば、想定売上が100万円で家賃が10万円なら、食材費と人件費で60%ほどになるので約60万円です。
家賃をプラスすると70万円となり、必要な運転資金は420~840万円となります。
生活費
開業後、店舗オーナーはお店の売上から自身の給料をもらうことになります。
お店が軌道に乗らなければ給料も出ないので、生活費も6カ月分以上は用意しておきたいところです。
実際にまとめてみると・・・
思ったよりも多くの資金が必要になることに驚いた人も多いかもしれません。
例として、10坪で家賃13万円の居酒屋を開業する場合の目安資金を表にまとめたので、もう一度確認しておきましょう。
【物件取得費用(スケルトン物件の例)】
保証金(6カ月分) 78万円
礼金 13万円
前家賃 13万円
仲介手数料 13万円
造作譲渡費 0万円
物件取得費合計 117万円
【開業費用】
内装工事(坪単価35万円) 350万円
看板工事 30万円
厨房機器 160万円
厨房備品 15万円
家具類 30万円
その他設備費 30万円
レジ 10万円
開業前人件費 10万円
運転資金(9カ月分) 700万円
開業費用合計 1,335万円
初期費用総合計 1,452万円
以上のように、わずか10坪の居酒屋でも開業に1,450万円を超える資金が必要です。
もっとも、今回はスケルトン物件のため高額になりましたが、居抜き物件を見つけることができれば、開業費用を大幅に圧縮できます。
ちなみに、業態ごとの初期費用の目安は以下のようになっています。
業態ごとに価格差があるので、資金面を考慮して参入しやすい業態にチャレンジするのも良いかもしれませんね。
バー 500~1,000万円
ラーメン店 1,000万円
カフェ 1,500万円
居酒屋 2,000~4,000万円
専門料理の飲食店 3,000~5,000万円
飲食店を出すために必要なスキルはなにか?
飲食店の開業で絶対的に必要なのが、経営スキル・調理スキル・接客スキル・マネジメントスキルです。
まず、一定以上の経営スキルがなければお店を続けていくことは不可能といっていいかもしれません…。
経営スキルとして、特に重要なのは前述でもあるように「お金」に関することです。
売上取れてるのになぜか赤字になっている!?は、飲食店経営でよくあるケースですね。
家賃や人件費もそうですが、料理の原価率、粗利などの理解、お金の計算をしっかりしていかないと、間違いなくお店を畳む未来が見えてしまいます。
また、現実的な事業計画を立てたうえで利益を出すための行動力があるほか、決断力やニーズを察知する力も求められます。
特に、ものすごいスピードで流行が移っていく飲食業界だけに、社会の流れに敏感に反応できる柔軟さは欠かせない経営スキルです。
次に経営スキルと同様に必要なのが、調理スキルと接客スキルです。
調理師免許は必要ないとはいえ、見た目が良く美味しい料理をつくれるスキルがなければ集客は難しいでしょう。
そして、美味しい料理とお酒に華を添えるのは笑顔の接客です。
「料理はおいしいけど不愛想なお店」が流行るのは難しいでしょう。
お客様のテーブルの小さな変化に気づける目配り・気配り・心配りも欠かせません。
一方で、飲食未経験で開業するとなれば調理スキルが高くない人もいるかもしれませんね。
そうなると、調理スタッフを雇わなければならないため、マネジメントスキルも必須になります。
スタッフの採用や教育、シフト管理など、お店を円滑に運営するために大事なスキルです。
今まで飲食未経験でも、自分のお店は出せるものなのか?
飲食店を開業したいと思っても、業界未経験者で開業できるのか不安に思う人は多いでしょう。
結論としては、成功するかどうかは別として開業することは可能です。
飲食店の開業に必要な資格は食品衛生責任者だけですから、講習を受けて資格を取り、開業場所の営業許可が下りれば飲食店オーナーとしてスタートできます。
調理経験の有無を心配する人もいるかもしれませんが、たとえばバーのように料理を作らなくても運営できる形態のお店なら調理経験を必要としません。
また、冷凍技術が発達している現在では、すべて冷凍食品で対応するというのも物理的に可能です。
とはいえ、調理経験がない人は開業後に苦労するケースが多いのは間違いありません。
たとえば、趣味で料理をしていて料理には自信があると思っていても、その程度のレベルではお客様を満足させられるような料理を提供できるとは考えにくいもの。
しかも、一度にたくさんのオーダーが入った場合に対応するには技術力とスピードも必要です。
このように考えると飲食未経験でも開業することはできますが、成功する可能性は低いと言わざるを得ません。
今まで飲食店での仕事を経験したことがないのであれば、まずは開業をしようとする業態の経験を積んだほうがいいでしょう。
「一日でも早く開業したいのでしている余裕はない」ということであれば、失敗を覚悟のうえ取り組む必要があります。
「失敗は成功の母」ですから、失敗経験は将来的にプラスに働くことも多いです。
ただし、資金繰りで閉店するケースがほとんどなので、できるだけ店舗面積が小さく客席が少ない物件を探し、できれば居抜き物件で開業費用を抑えるのがポイントになります。
また、料理については調理スタッフを雇用するか、専門店として開業するという方法もあります。
素人だから専門店の飲食店は無理ということはありません。
独立支援制度・のれん分けについて
飲食業未経験の人が開業する際に検討したいもののひとつが独立支援制度・のれん分けです。
独立支援制度やのれん分けとは、その制度を用意している会社や店舗で経験を積み、商標や屋号の使用許可を得たり、独立時に資金や人材の提供を受けたりする制度を指します。
一般的に行われている独立支援制度・のれん分けは以下のような形態が多く見られます。
直営店舗譲渡方式
経験を積んだ店舗を譲渡する方式で、リスクを限定的にして開業当初から利益を伸ばすことが可能です。
自己資金による新規店舗方式
自分でお金を用意して、本部ブランドの店舗を新規出店するシンプルな独立方式です。
フランチャイズシステムと同じ経営スタイルになります。
運営や管理などの一部業務委託方式
店舗資産は本部の保有資産のまま、店舗運営を委託してもらう方式で、いわば疑似的な独立制度といえます。
自己資金が少なくても独立できるという点は大きなメリットです。
独立支援制度・のれん分けは、魅力的な制度といえますが、経営方針や仕入先、営業時間などの自由度があまりなかったりすることも少なくありません。
また、独立するためには一定程度以上の業績が必要だったり勤続年数が条件になっていたりするため、開業までに時間がかかる点もデメリットと感じる方もいるかもしれません。
とはいえ、飲食チェーンを中心に採用されている仕組みのため、そこで独立支援制度を活用できるとなれば広く認知されている看板を使用できるメリットがあり、開業当初から集客が見込めます。
店舗運営のノウハウもしっかりと学んだうえで開業できるので、失敗するリスクを軽減できるメリットも見逃せません。
飲食未経験から独立の最短距離は個人店や専門店の飲食店ではない!?
ここまで紹介したように、飲食未経験から独立するのは簡単にできる一方で成功するのは難しく、また成功する可能性を高めようとすると飲食業界での下積みが必要になるかと思います。
そのなかで自身が出したいお店の業態がイタリアンや和食、おしゃれなカフェだったとしたら、真っ先に「自分が出したいお店の業態の飲食店で働く」選択肢を思い浮かべるはずです。
もちろん、早い段階で「自分のお店を出したい」夢を持たれていれば、調理師専門学校から基礎を学んで、自分が出したいお店の業態の飲食店で働く選択肢はセオリーといえます。
しかし、飲食に元々興味はあったけど未経験だし、専門学校も行ってたわけではない方も多いかと思います。
専門店で働くとなると、時間はかかりますし、なにより未経験スタートからになるので給与面が厳しくなってしまいます。
ここで、飲食未経験の方が自分のお店を出すための最短距離として唱えたいのは「チェーン店を経営する企業からスタートする」ことです。
理由としては、チェーン店には飲食店経営においての基本が詰まっていて、それを全て経験できるからです。
まず、チェーン店は接客や料理に関しても「マニュアル」があるところが多いです。
未経験の方であれば専門的技術・知識を学ぶ前に、その中で飲食店で働くための基礎を学ぶことの方が大切です。
また、企業によってですが、店長研修などといった経営に必要な数字の勉強やマネジメントの講習が受けられるところも多いため、自身がお金を払うことなくマネジメントスキルを習得できます。
その他にも、飲食店のチェーン展開している企業は大きい企業なので、研修制度以外にも住宅手当や家族手当などの福利厚生が手厚い場合も多いです。
また、福利厚生だけではなく労働環境が整っているところが多いのも魅力のひとつです。
個人店になってくると、お休みが週に1回だったり、最悪の場合休みがない!なんてことも無きにしも非ずな飲食店もあったりします。
ですので、家族を持たれている方や労働環境を気にされる方にもおすすめです!
まとめ
いかがでしたか?
今回は自分の飲食店を出したい!と、独立の夢を叶えるためにはどうするべきかについてお話ししました。
個人店や有名レストランで修行をするのは、もちろんアリかとは思いますが、未経験の状態で厳しい修行を耐え抜くことは相当のメンタルが必要とみえます。
そのためにまずは、飲食店のチェーン展開をおこなっている企業にまずは入ってみて労働環境の良い中で飲食店での仕事の基本や経営ノウハウを学んだほうがいいかと筆者は考えます。
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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。
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