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1ヶ月間食べ放題!?飲食店・企業が考案したサブスクが凄かった

サブスクはデジタルコンテンツから生まれた新しいサービスですが、飲食業でも徐々に導入している店舗が増えています。

月額利用料を支払ってお店のメニューを楽しめるという画期的な取り組みは、集客増に大きな期待が持てそうですが、実際のところどうなのでしょうか。

そこで今回は、飲食店でサブスクを導入した事例とともに、サブスクを導入するメリットを紹介します。

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そもそもサブスクとは?

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サブスクとはサブスクリプションの略で、一言で説明すると「製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式」です。

通常は、お金を支払って製品やサービスを購入しますが、サブスクではお金を支払って製品やサービスを利用できる権利を手に入れることになります。
もともとは音楽や動画、アプリなどのデジタルコンテンツで定額制サービスを導入したのが始まりとされていて、これらはすでにビジネスモデルとして確立していますよね。
利用している方も多いのではないでしょうか。

一方、飲食業界では、サブスクを導入している店舗はまだまだ少数派で、これからどんどん増えていくものと予測されています。
実際に飲食店で導入されているサブスクとしては以下に挙げる3つのタイプです。


1.定額制の飲み放題や食べ放題のサービス


月額3,000円でいつでも飲み放題、月額5,000円で食べ放題になるプランなどを提供すると、インパクトを与えられます。
原価以上に飲食されるリスクはあるものの、話題性があり集客向上に効果があるでしょう。


2.割引・無料サービス


よくある割引チケットをサブスクで提供するイメージの方式です。
月額3,000円でフードメニュー全品半額や、ランチメニューが無料などのサービスを提供しているお店もあります。


3.会員限定サービス


VIP特典の付与や会員だけが入店できるサービスをサブスクで提供する方式です。
年会費制にしているお店が多く、お客様は特別感を得られ、お店はまとまった売上を得られるのがメリットです。

ちなみに、三菱UFJリサーチ&コンサルティングがサブスクユーザーに対して行った調査では、動画配信や音楽配信、書籍などのサブスク人気が依然として高い一方で、今後は飲食店のサブスクを利用したいと考えている人が非常に多いことがわかっています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている飲食店も、サブスクの導入によりV字回復できるかもしれません。


飲食店・企業が考案した、とんでもないサブスク

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新しい事業に取り組む際は思い切った仕掛けによって成功する可能性がある一方で、大胆すぎるのは考えものです。

特に、飲食店のサブスクでは原価割れのリスクがつきまといます。
ここでは、焼肉チェーンの「牛角」と人気ラーメンチェーンの「野郎ラーメン」が取り入れた大胆なサブスクの事例を紹介します。


人気すぎて即終了した、牛角の1ヶ月間食べ放題

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牛角は日本最大手の焼肉チェーン店として知られているお店。
その牛角が打ち出したサブスクが「11,000円で1カ月食べ放題PASS」です。

通常は3,480円の牛角コースを1カ月利用できるプランですから、単純計算で3回利用すれば元が取れてしまうという驚きのサービスです。

食べられるお肉はカルビやロースのステーキをはじめ、ハラミやラム、ジンギスカンなど豊富。
しかも、おつまみやデザート付きですから、全部で100品目以上になるそうです。
これだけのボリュームがあって1カ月11,000円で食べ放題という設定がどれだけ凄いのかは、飲食業界で働くみなさんならよくわかるでしょう。

通称「牛角サブスク」と呼ばれたこちらのサービスは、2019年11月29日から始まり、滑り出しは穏やかだったものの、年が明けた2020年の1月5日にTwitter上でバズった結果、お客様が集中する事態になりました。

Twitter上でサブスク内容の画像とともに「衝撃的過ぎた」というコメントが投稿されたのを皮切りに「牛角に毎日行けば1カ月の食費が1万円で済む」「安すぎて逆に心配になる」といった投稿が相次いだうえに、メディアにも取り上げられて情報が一気に拡散されました。
牛角サブスクを利用した人のなかには、12日連続で牛角に通った人もいたそうです。

どれだけ食べても金額が変わらないのなら通ったほうがお得ですが、さすがに飽きちゃいそうと考える人も多いですよね。

その点、牛角サブスクではお肉以外にサラダも食べられるので飽きるという心配はありませんし、偏った食事になるのを避けられるという優れもの。
まさに、お客様にとっては夢のようなサブスクです。

ところが、2020年1月7日には新規販売が中止という結末を迎えます。

中止になった理由は明らかになっていませんが、反響が良すぎたまま終了していることから、お店の利益にならなかったと考えるのが自然でしょう。
また、そもそも牛角の営業スタイルとサブスクが合わなかった点も早期終了につながったと考えられます。

牛角のメインターゲットはグループ客やファミリー客ですが、サブスクは基本的に1人で購入するものですから、牛角を利用する際は1人で来店します。
そうなると、4人席を1人で利用することになるため、グループ客用の店内レイアウトになっている牛角としてはチャンスロスになってしまうのです。

その後、牛角では新たなサブスクを提供していますが、決して好評を博しているとはいえない内容になっています。


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主なコースは、350gまでの焼肉定食が食べられる13,200円コース、500gまでの18,700円コース、そして黒毛和牛定食が食べられる14,300円コース。
しかも、サブスクを利用できる時間は平日の18時までと22時以降と限定的です。

ここまでの内容で勘の鋭い方ならお気づきでしょう。

前回の11,000円プランよりも7,000円以上高いのにもかかわらず、お肉は500gまでという上限があるので食べ放題とはいえませんね。
しかも、サブスクを導入したのはわずか5店舗。

SNS上でも「前回のサブスクの劣化版だ」とする声が多く見られました。
たしかに、最初のサブスクがインパクト大だっただけに、後発のサブスクに対して不満を抱くのも仕方ないようにも思えますよね。

牛角としては、食べ放題にしてしまうと原価割れするリスクがあるため制限を設けるという「苦肉の策」だったかもしれませんね(焼肉屋だけに・・・笑)。


日本の人口を減らそうとしてると話題になった、野郎ラーメンの1日一杯無料

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飲食店のサブスクといえば、二郎ラーメンのインスパイア系として知られる野郎ラーメンの「1日一杯野郎ラーメン生活」もあります。

ラーメン屋が提供するサブスクの走りともいえる野郎ラーメンは、脂たっぷりのこってりラーメンが売り。
食べ盛りの学生や働き盛りの世代となる18~38歳までの世代限定のサービスとなりますが、月額9,460円(税込)で1日1杯無料になるのですから、ファンにはたまらないサービスですね。

食べられるラーメンは「豚骨野郎」「汁無し野郎」「味噌野郎」の3種類。
ローテンションを組むと飽きせずに食べられそうですが、どのラーメンもボリュームがあるのでなかなか大変です。

また、野郎ラーメンのサブスクはアプリを使用する必要があるのですが、アプリの画面には「全店舗対応」「定額料金安心」「野菜不足解消」の文字とともに、こってりとした豚骨野郎の写真が掲載されています。
どんなに「野菜不足解消」といわれても、豚骨野郎を見てしまうとカロリー過多な気がしますね・・・。笑

月間12杯で元が取れるとしていますが、月間12杯なら週に3日食べることになるので、相当なファンでなければ飽きてしまうかもしれません。
SNS上では「ガチで通おうとしたら安いよね」「野郎ラーメンは味が薄いから毎日食っても大丈夫」「これはお得な気がするが、身体がおかしくなりそう」など、さまざまな声が上がりました。

なかでも秀悦なのが「日本の人口を減らそうとしてる」という声。
こってりとした野郎ラーメンを食べ続けると体を壊しそうというニュアンスなのかもしれませんが、実際にボリューミーな野郎ラーメンを味わうと、このように思うのも無理はないでしょう。

ちなみに、野郎ラーメンが提供しているサブスクのコースには、月額330円(税込)の「野郎まんぷく定期券」というトッピングのサブスクもあります。

味玉・海苔増し・麺増し・野菜増し・半ライスのいずれかをラーメン一杯につき一つ注文できるシステムで、こちらは毎月3回の利用で元が取れます。
サブスクを利用して毎回同じラーメンを食べるのは辛いと考える人もいるはずなので、こういった変化を与えられる仕組みはお客様に喜ばれそうですね。


飲食店がサブスクをするメリットは?

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牛角のサブスクは成功したとは言えないものの、飲食店のサブスク導入には大きなメリットがあり、特にコロナ禍にある現状ではサブスクの導入が売上回復の転換点となる可能性も秘めています。

ここでは、飲食店がサブスクを導入するメリットを紹介します。


リピーターや常連様が増える

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リピーターや常連様を増やすには、提供する商品のクオリティが高いこと以外にお店の雰囲気やサービスの質、清潔さなど、さまざまな点に気を配る必要がありますよね。

しかし、サブスクの導入によって固定客を確保するハードルはグッと下がります。

サブスクを利用したお客様の多くは「せっかくお金を払ったのだから元は取りたい」と考えるでしょう。
野郎ラーメンのように1日1杯ラーメンが無料になるなら、毎日でも通いたいと考えるお客さまもいるはず。

もちろん、サブスクを導入すればお店の雰囲気が悪くても問題ないということではなく、むしろ今後も末永く利用してもらえるように商品やサービスのクオリティを上げることが大切かと思います。


新規のお客様を獲得できる

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魅力あるサブスクの提供によって新規のお客様を獲得できます。

飲食店が新規のお客様を獲得するには、まずは宣伝をしたうえで品質の高い商品を提供し、心のこもったサービスによって評判を高めることが大切です。

しかし、即効性が高いとは言えず、集客するのに長い期間を要する場合も。お客様にとってメリットの多いサブスクを導入すると、思いのほかSNSでの口コミが広まりやすくあっという間に集客できるケースも珍しくありません。

また、サブスクの内容に満足し、お店の味や接客を気に入ってくれたお客様が別のお客様を連れてくるといった流れが生まれやすくなります。
クオリティは高いのに集客できていないお店ほどサブスクの導入による恩恵を受けられるでしょう。


収益が安定しやすくなる

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飲食店を営業していくうえで「安定した収益」という言葉は縁遠いもの。
天候によって客足が遠のくことは多々ありますし、歓送迎会の時季には売上が一気に増える業態がほとんどでしょう。

そして社会情勢の変化もあります。
コロナ禍のような特別なケースは除いても、以前から問題視されている人材不足や食材価格の上昇などは、飲食店の収益を不安定にさせる要素です。

しかし、サブスクの導入によって集客ができなくても売上の確保が可能になります。
事前にサブスクの料金を受け取れるので、悪天候や閑散期も関係ありません。
サブスクを利用するお客様の人数が増えるほど収益が安定しやすくなります。


お客様の情報を収集できる

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サブスクを利用するお客様は、サービスを利用する際に個人情報を登録する必要があります。
お店側は、お客様の性別や年齢、職業などの情報を得られるので、ニーズにマッチしたサービスを提供しやすくなるでしょう。

また、全品を対象とした飲み放題や食べ放題のサブスクでは、お客様が注文する商品の傾向を掴みやすくなるメリットもあります。
そこから得た情報をもとに、グランドメニューを変更したり、新メニューの開発をしたりすることも可能です。


まとめ

いかがでしたか?
今回は飲食店でも、見かけるようになったサブスクについてお話ししました。

収益の安定のほか、話題性やお客様の獲得といった大きいメリットもありますので、こうした経営方法もあるのかとひとつ参考にしていただけると幸いです。



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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。

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