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家系で天下取り!?-町田商店がコロナ禍でもラーメン店で一人勝ちできた理由-

家系ラーメンとは?というと、家系ラーメンの元祖でもある「吉村家」を思い浮かべる方も多いかと思います。

家系ラーメンがラーメン界の一大勢力であることは、多くの人が知っています。
その一大勢力である家系ラーメンのなかで驚きの快進撃を続けるお店が「町田商店」です。

コロナ禍で多くの飲食店が不況に喘ぐなか、町田商店は不況をものともせず成長を続けています。
この記事では、町田商店がコロナ禍の影響を受けず「一人勝ち」している理由について考察しました。

また、いまさら聞けない「家系ラーメンとは?」についても簡単に解説するので、参考にしてください。

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家系ラーメンとは?

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家系ラーメンとは、神奈川県横浜市発祥のラーメンです。

中太の麺と、鶏ガラを加えたとんこつ醤油に鶏油(チーユ)を浮かせたスープが特徴となっています。
具材はチャーシュー、ほうれん草、海苔が一般的で、店によってはうずらの卵がトッピングしてあります。

また、麺の硬さや味の濃さ、脂の量を選べるので、自分好みのラーメンが作れる点も人気です。
ご飯がメニューに載っている、または無料である店が多く、スープの染みた海苔でご飯を巻いて食べるおいしさも家系ラーメンの醍醐味といえます。

さらに、ラーメンの味を変えられるよう、卓上にはニンニクや豆板醤などの調味料が常備されています。
店によってはそれに加え、生姜や刻み玉ねぎなどが常備してあることも特徴です。

なんとなく、家系ラーメンのイメージが掴めたでしょうか?
ラーメンの一大ジャンルでもあるため、食べたことのある人も多いでしょう。

店によってトッピングなどが違うのは、家系ラーメンにさまざまな流派があるからです。


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冒頭でもお話ししましたが、家系ラーメンの元祖は、1974年に神奈川県横浜市磯子区に開店した吉村家です。
この店で修行した人が独立・開業した店に「〇〇家」という名前が多かったため、ファンの間で家系ラーメンという呼び名が広まりました。

もともとは、吉村家に認定された直系店のみを「家系」と呼んでいましたが、現在はそうではありません。
吉村家で修行せず、その味を模倣した店が非常に増えたため、「家系」はラーメンのジャンルを指す言葉になりました。

そして、家系ラーメンには「御三家」と呼ばれる代表的な店があります。
それは、元祖の吉村家、吉村家の2号店である本牧家、吉村家で修行した神藤隆氏が独立した六角家です。

また、家系ラーメンには「直系」「六角系」「壱系」などさまざまな系譜があることも特徴です。
直系とは吉村家で修行をし、認定されて独立した杉田家、はじめ家、上越家などを指します。

六角系は六角家の系譜に連なる店、壱系は吉村家の流れを汲まず創業した壱六家の系譜に連なる店です。
こういった系譜を意識しながら食べ歩くのも、家系ラーメンを楽しむ醍醐味といえます。

家系ラーメンに思い入れの強いファンは、吉村家とその直系の店のみを家系と呼び、派生・模倣系の店を「亜流」と呼んでいます。
家系と呼べる条件について、原理主義と自由主義の間で争いが起きることもしばしばです。

家系は、とにかくファンのこだわりが非常に強い世界なのです。


町田商店とは?

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町田商店は、株式会社ギフトが運営する家系ラーメンの一大チェーンです。
代表取締役の田川翔氏は家系の有名店「壱六家」出身で、2008年に独立し、東京都町田市に町田商店一号店を出店しました。

町田商店のラーメンは壱六家の流れを汲んでいるため、ファンには壱系と分類されています。
ラーメンにうずらの卵がトッピングしてあるのも壱系の特徴です。

町田商店はセントラルキッチン方式を採用しています。
麺は自社工場で製麺し、スープなどはセントラルキッチンで調理して各店舗へ配送する方式です。
コアな家系ファンのなかには、こういったラーメン店を「資本系」と呼んで避ける人もいます。

しかし、町田商店の方式は、ラーメンマニアに囲まれてラーメンを食べるのはちょっと…というライト層には強力に支持されました。
町田商店はラーメンマニアに避けられる代わりに、安定した味や入りやすい雰囲気を求める幅広い層の取り込みに成功したのです。


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コアなマニアのなかには、ラーメン店の少し無愛想な接客や、あまり清潔でない店内を「味」として喜ぶ層もいますよね。

しかし、町田商店の店内は無愛想や不衛生とは無縁です。
入店時の挨拶、スープを飲み干した利用客へのお礼コール、退店時の挨拶はハキハキしていて、店外への丁寧な見送りもあります。
券売機、床、壁、カウンターも清潔で、脂が残っていることもありません。

家系には詳しくないものの「気軽においしいラーメンが食べたい」「明るい雰囲気の店で食べたい」と望むライト層に、町田商店の安定性やホスピタリティは高評価を受けているのです。


コロナ禍なのに町田商店が強い理由について考えてみた

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2020年は、飲食業界が不況に喘いだ年でした。
「ワタミ」や「すかいらーく」などの大手チェーンでも、10月の売上高は前年比約6割、約9割など減少が目立っています。

そんななか、町田商店直営店の売上高は前年比96.8%で、ほとんどコロナの影響を受けていません。
さらに、コロナ禍でも新店舗出店の手を緩めることなく拡大を続けています。

この町田商店の「強さ」の秘密はどこにあるのでしょうか…!?
三つの観点から分析してみました。


立地面

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町田商店の直営店のほとんどは、郊外の住宅街やロードサイドの出店です。
コロナ禍でビジネス街や繁華街の店舗は売上が減少しましたが、住宅街やロードサイドの店舗は大きく売上を伸ばしました。

売上が減少した店舗の影響を吸収するほど、住宅街やロードサイドの店舗は繁盛したのです。
これは、住宅街やロードサイドの店舗が「日常的に必要な店」であることが影響しています。

外食自粛を促された利用客に「繁華街には行けないから、家の近場や通り道でラーメンを食べよう」という心理がはたらいたのです。

逆に「わざわざ食べに行くところ」とされやすいビジネス街や繁華街では、外食を自粛する傾向が非常に強くありました。

日常的な需要が高い住宅街やロードサイドの店舗が多数であったことが、町田商店を救ったといえるでしょう。


提供しているものが「ラーメン」

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飲食店での外食が望ましくないとされた理由は、密閉・密集・密接の「三密」が起きやすいからです。

しかし、ラーメンの場合はあまり当てはまりません。

ラーメン店では滞在時間や食べる時間が比較的短いですよね。
提供が早く食事後すぐ退店するため、同行者と会話する時間もあまりありません。
カウンターメインの店舗では、一人で入店する人が多数です。

つまりラーメンは、会食自粛を促される環境でも利用しやすいメニューだったのです。

また、もともと衛生観念がしっかりした店舗が多いことも影響しているでしょう。
前述したように店内は清潔ですし、コロナ禍前からトッピング類を保冷剤の上に乗せて提供している店舗もありました。

コロナ禍でのウイルス防止対策も非常に細やかです。
ひと席ごとのアクリル板設置はもちろん、箸やティッシュ、水のピッチャーなどもひと席ごとに設置し、利用客同士の無駄な接触を防止しています。

また、利用客が気になる箇所を消毒できるよう、小分けアルコールスプレーの配布も怠りません。
こうした気遣いが「町田商店なら衛生的で安心」というイメージの確立につながっているのです。


デリバリー・テイクアウト戦略

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これこそが、最大のポイントと言っても過言ではないかもしれません。

町田商店では、2019年から「ウーバーイーツ」によるデリバリー対応店舗を設け、サービスを展開し始めていました。
デリバリーのノウハウや専用容器の準備が既にあったことは、コロナ禍での非常に大きい強みです。

これにより2020年の3月には、デリバリー対応店舗を4店舗から25店舗へと、一気に増やすことに成功しています。
また、2020年の4月には40店舗でのテイクアウト販売を開始しました。

ラーメン業界で町田商店が一人勝ちできているのと似たケースに、回転寿司業界で「スシロー」が一人勝ちしていることがあります。
スシローの快進撃のポイントは、2020年の4月には自宅に籠るファミリー向けのテイクアウトメニューや、テイクアウト注文サイトを確立できていたことです。

二社の共通点は、デリバリー・テイクアウト戦略への動きが非常に早かったことにあるでしょう。
後手に回ってしまった同業他社の多くは、売上高が大きく前年割れしています。

町田商店の場合、外食自粛によりイートインの売上が減少する時期には、すでにデリバリーの売上がそのダメージをカバーできるほど伸びていました。
そのため、全体の売上ダメージを非常に小さく抑えられたのです。


町田商店の経営企業、株式会社ギフトについて

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株式会社ギフト代表取締役の田川翔氏は、2008年に町田商店一号店を開店しました。
その後、2010年に株式会社町田商店を立ち上げ、2015年に株式会社ギフトへと名前を変更しています。

そして、2018年にはわずか10年足らずで東証マザーズに上場、2020年には東証1部へ昇格しました。
まさに破竹の快進撃です。
株式会社ギフトは2021年現在、直営店・プロデュース店舗を合わせると500店舗以上を展開しています。

田川氏が掲げる目標は、2025年までに1,000店舗を出店することです。
コロナ禍による不況でもその設定は変わることなく、会社は拡大を続けています。

2008年に起業した当時、田川氏には非常に職人的なこだわりがありました。
思い通りにスープが作れないときは閉店するほどこだわりが強かったため、店は経営難に陥ります。

この経験により田川氏は気持ちを入れ替え「利用客のメリットにならないこだわりは捨てる」ことを新しいポリシーとしました。
スープの味がブレないよう、セントラルキッチン方式を採用したのもそのポリシーによるものです。


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株式会社ギフトは、展開している店舗の多くをフランチャイズ店が占めていることも特徴です。

通常はフランチャイズ店から売上の数%のロイヤリティを取るのですが、町田商店ではロイヤリティを取らず、代わりに「プロデュース事業」としてプライベートブランドの麺やスープを卸売りしています。

一般的には、店舗を一気に拡大するとラーメンの味がブレ、客離れの原因になるケースが多くあります。
ですが、セントラルキッチンの麺やスープを卸売りすれば、町田商店グループとして安定した味を提供でき、客離れを防げるのです。

フランチャイズ店のオーナーが自由に店名を決められることも、プロデュース事業の特徴です。

こだわりの強い家系ファンは、フランチャイズを「画一的で個性がない」と避ける場合があります。
しかし、オーナーにある程度の裁量を任せればフランチャイズ感を軽減でき、利用客の満足度も上がるでしょう。

「自分の城」という実感が持てるので、オーナーのモチベーションもアップします。

その一方でギフトは、直営のロードサイド店では知名度を重視し「町田商店」の名称に統一して出店しています。
地域に対する分析を重ね、的確なコンセプトを掲げる出店ノウハウも、ギフトの強みの一つといえるでしょう。


まとめ

いかがでしたか?

今回はコロナ禍という飲食店にとってネガティブ出来事の中で、売り上げを伸ばしている町田商店についてお話ししていきました。

いかに厳しい状況下でも柔軟に対応して変化することが重要というのが伺えますね。

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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。

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