飲食店の求人・転職TOP 飲食業界の求人・転職コラム お役立ち情報 獣くさい?まずい?種類は?-ジビエについていろいろ調べてみた-

獣くさい?まずい?種類は?-ジビエについていろいろ調べてみた-

ひと昔前、おいしいお肉といえば脂のサシがたっぷり入った高級和牛などでしたよね。

しかし、近年では赤身肉が注目され始め、熟成肉やジビエなどを好む人が多くなっています。
飲食店関係者も、そういった変化を感じているのではないでしょうか。

特に注目されているのは、ジビエです。
最近では専門店が続々とオープンするなど、ジビエ料理には静かなブームが来ているといえます。

ですが、ジビエに「くさい」「硬い」などのイメージを持つ人もいるでしょう。
この記事では定番ジビエ・珍しいジビエをリストアップし、その味わいやおいしい食べ方について解説します。

※これから使う写真につきましては、肉の写真を使うとワイルドな記事になってしまうため、動物さんたちのイラストや実際のお写真を使わせていただきます。

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ジビエとは

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「ジビエ」とは食べるために狩猟した野生の鳥獣、またその肉のことを指すフランス語です。
もともとジビエは、狩猟ができるような領地を持つ貴族しか食べられない、貴重な高級食材でした。

野生の鳥獣は飼育されている動物よりも運動量が多いので、ジビエの肉は筋肉質で低脂肪なものが多く、ヘルシーな料理としても注目されています。

ジビエときくと、くさみがある、硬いというイメージがないでしょうか?

たしかに、ジビエは飼育された肉よりも独特の風味が強く、噛みごたえがあるもの が多いです。
しかし、噛むほどに味わえる豊かな滋味があり、それがジビエの醍醐味といえます。

日本では狩猟をしていい期間が決まっているため、ジビエにもいわゆる「旬」があります。
日本の狩猟解禁は11月15日~2月15日までなので、この期間がジビエのシーズンになります。


日本でよく食べられているジビエ

ここでは、いのししやシカなど、日本で気軽に食べられるジビエの特徴についてまとめました。

比較的、ジビエを取り扱っている飲食店なら置いている食材も多いはずです。


いのしし

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いのしし肉の魅力は、なんといっても旨みたっぷりの赤身ととろける脂身。
煮込むほどに柔らかくなり、味に深みが増すところも人気のポイントです。

いのしし肉は赤身の色が鮮やかで、スライスして器に盛るとまるで花のよう!「牡丹肉」と呼ばれるのも納得の美しさです。
ビタミンB群が豊富に含まれていて、栄養豊かなのも嬉しいですね。

ロース肉はステーキなどに、肩肉はハンバーグなどに調理するのがおすすめ。
もちろん、味噌ベースのつゆで牡丹鍋にしても絶品です。


うさぎ

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うさぎ肉は、フランス料理ではとても一般的な食材です。
実は、日本でも室町時代から食べられてきたといわれる、歴史の古い食材です。

江戸時代など、四つ足の動物を食べることがタブーだった時代でも、うさぎは鳥として扱われて食べられていたそうです。
だから、一羽、二羽と数えるんですね。

うさぎ肉は柔らかくて脂が少なく、さっぱりした味わいで、鶏肉の味にとてもよく似ています。

うさぎ肉は飼育したものと野生のものに分けられます。

ジビエのうさぎ肉は、野生を感じる独特の香りが特徴です。
しかし、血抜きなどの処理をしっかりすれば香りが控えめになり、初心者でも食べやすくなります。


シカ

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シカ肉は高タンパクで低脂肪、鉄分などの栄養も多く、ヘルシーな点が特徴です。

味は牛肉によく似ています。
処理の仕方にもよりますが、くさみが少なく、柔らかくてさっぱりしているので、ジビエ初心者でもおいしく食べられますよ。

肩肉はハンバーグに、スネ肉は煮込みに、ロース肉はステーキになど、食べ方もさまざまに楽しめるのが嬉しいですね。
また、生姜焼きや肉じゃがなど、食卓におなじみの和風料理にも合うので、家庭でもジビエに挑戦できます。


クマ

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クマのジビエにはヒグマとツキノワグマがあり、一般的にはツキノワグマの方がくさみが少なくおいしいと人気です。

その理由は、ヒグマは時期によりサケなどを多く食べ、ツキノワグマはどんぐりなど木の実を多く食べるからとされています。

クマ肉ときくと、くさみが強いイメージがあるかと思います
確かに、スーパーで売っているお肉よりは独特の香りが強いですが、血抜きなどの処理をしっかりしていればおいしく食べられます。

また、クマ肉にはコラーゲンが多く滋養にとてもいいとされており、美容・健康意識が高い人にもおすすめのジビエです。


カモ

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アイガモなどの養殖カモはスーパーでも見かけるので、カモ肉は身近なイメージですよね。
ジビエとして流通する野生のカモは、マガモやカルガモなどです。

そのなかでも人気があるのはマガモの肉になります。
養殖のカモと比べると身が締まっていて、香り豊かな点が魅力です。

カモのジビエはくさみが少なく、脂肪の旨みが多いので初心者でもおいしく食べられますよ。
炭火焼きや鴨鍋はもちろん、脂でじっくり柔らかく煮てコンフィにするのもおすすめです。


ライチョウ

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日本には、ニホンライチョウやエゾライチョウが生息しています。

しかし、ニホンライチョウは国の天然記念物なので狩猟できません。
日本で食べられるライチョウのジビエは、エゾライチョウか輸入品のライチョウです。

エゾライチョウの肉はさっぱりしつつも旨みが強く、ジューシーな味わいを楽しめます。
果物を多く食べているエゾライチョウの個体は、ほんのりフルーティーな香りがするといわれています。

ライチョウを手軽においしく食べるなら、おすすめの調理法は唐揚げやソテー。
出汁がよく出るので、鍋料理や蕎麦つゆの出汁に使うのもおいしいです。


ダチョウ

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ダチョウ肉はインターネットで比較的簡単に手に入るので、チャレンジしやすいジビエです。

味は牛肉に似ており、歯ごたえがあって旨みが強いのが特徴。
高タンパクで低脂肪とヘルシーなため、牛肉の代替食品としても注目されています。

クセがないので洋食やエスニックはもちろん、和食に使っても違和感がありません。
簡単においしく食べるならハーブで香りづけをし、ソテーや串焼きにするのがいいでしょう。


食べていたら珍しい!?驚くべきジビエ料理

ここでは、なかなか食べられない珍しいジビエ料理を紹介します。

遠い国の動物や、街なかで見るあまりに身近な動物など、驚きのジビエばかりです。
日本のジビエ専門店でもマニアックな部類に入るかもしれないですね…。


ラクダ

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ラクダはこぶの部分に脂肪をため、その栄養で長い間エサをとらずに生きていける動物です。
そのため、ラクダのこぶの部分は脂肪の塊になっています。
焼いた食感はホルモン焼きのホルモンに似ていて、とろける舌触りが魅力です。

ラクダ肉の赤身は噛みごたえがあり、脂っこくなくさっぱりしています。
噛むほどに旨みが広がるので、ずっと噛んでいたくなる感覚になるんだとか。

ラクダ肉のおいしさをストレートに味わうならソテーがおすすめです。
歯ごたえが気になる人は肉をミンチし、ハンバーグにするとおいしく食べられるでしょう。


ワニ

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ワニ肉を見て最初に驚くのは、白くて透明感があるその見た目。
ゴツゴツした姿からは想像できない上品さがあります。

また、味わいも適度に脂がのりつつあっさりしていて、とても上品なんですよ。
噛むととてもジューシーで、味は鶏肉に似ています。
脂質が少なく高タンパクで、コラーゲンが多い点も嬉しいですね。

調理法としては、おいしく食べるならステーキや唐揚げなど、鶏肉料理と似たやりかたを選ぶといいですね。


トド

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トド肉の特徴は、弾力が強く噛みごたえがあることと、独特の香りが強いことです。

トドのジビエの産地で有名なのは北海道。
食堂にトド丼があったり、土産店でトドの大和煮缶詰が販売されていたりします。

人によっては「獣臭が強い」と評されるトド肉ですが、鮮度がよく、血抜きをきちんと行ったものは香りがマイルドです。
また、濃い味つけの大和煮は比較的食べやすいといわれます。
興味のある人は大和煮缶詰からチャレンジするのがおすすめです。


カンガルー

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カンガルー肉の特徴は、濃厚な味わいを持ちつつもさっぱりしている点です。
味わいは牛肉に似ていますが、人によっては独特の香りが気になる人もいます。

基本的にはオーストラリアからの輸入肉なので、流通環境によって肉のくさみに差が出てしまいます。
香りが強いと感じるときは、生姜などの香味野菜でくさみを抑えるか、赤ワイン煮込みなどにするといいですよ。

また、冷めるとくさみが強くなるという意見もあります。
カンガルーのジビエは熱々のうちにいただきましょう。


カラス

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街なかでもよく見かけるカラスは身近すぎて、食肉としてイメージできないかもしれません。
でも、どんな味がするのかちょっと興味はありますよね。

流通しているカラスのジビエは、里山で狩猟されたものが中心で、都会でゴミなどを食べているカラスがジビエになることは基本的にありません。

ちなみにフランスではカラスは高級食材です。
日本でも、グルメ番組で紹介されてから注目を集めています。

カラス肉は身が締まっていて歯ごたえがあり、鉄分が多いのでレバーや砂肝のような風味を持っています。
そのままローストするか、煮込み料理にするのがおすすめです。


日本の飲食店でジビエは定番化となるか?

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ジビエはまだ珍しい料理ですが、日本で定番化する可能性は充分あります。
狩猟にはシーズンがあることを冒頭で述べましたよね。

日本人は旬のものが大好きで、食べ物で季節を感じようとする風習があります。
また、SNSに珍しい食べ物をのせることはいまや不動のブームです。

さらに、2014年に成立した「鳥獣保護管理法」もジビエ定番化の後押しとなります。
これは、農作物に被害を及ぼす鳥獣を、適正な数に管理しようという方針の法律です。

適切な数にするということは、従来より狩猟する数が多くなるということ。
狩猟した鳥獣を食べるために利用する機会も増えますよね。

厚生労働省はそれを見込んで「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」を発表しました。
これにより、食中毒にならないよう、どうやってジビエを扱えばいいかのルールがわかりやすくなったのです。

その影響でジビエ料理の専門店や、メニューにジビエを加える飲食店が増え、ファーストフード店でもジビエメニューのキャンペーンを打ち始めました。

狩猟が盛んな地域では、小学校や中学校の給食にジビエが出ることもあります。
ジビエには静かなブームが来ており、定番になりつつあるところといえるでしょう。

しかし、ジビエの定番化には

・狩猟を行う人の高齢化、人数の減少
・流通が充分に確立できず肉の価格が高い
・おいしく食べるための加工・調理技術が広く浸透していない

などの課題が残されているため、いまだ対策を続ける必要があるといえるでしょう。


まとめ

いかがでしたか?
今回は専門店も増えてきているジビエについてお話ししていきました。

ぜひ、この記事を読んだ方の中で、ジビエに興味を持っていただけましたら、ぜひジビエを取り扱っている専門店に足を運んでみてください!

また、この記事をきっかけに飲食店を経営している方や企業さんでジビエ料理を出してみようといった試みが生まれて、飲食業界がまた盛り上がってくれることを祈っております!

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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。

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