市場規模拡大で全国に未だ増殖中!?変な名前のパン屋!?-ブームから生活の一部となった高級食パンについて調べてみた-
こだわりの素材を使い、ほんのり甘くてリッチな味わいが特徴の高級食パン。
街では高級食パンを扱うパン屋も多くなりましたよね。
そんななか、店名らしくない、キャッチコピーのような変な名前のパン屋も増えてきています。
このパン屋のユニークなネーミングには、どんな謎が隠されているのでしょうか。
この記事では、ブームを経て定着した高級食パンの基礎知識や、ユニークな名前のパン屋について解説しています。
飲食店関係者も知っておきたいプロデューステクニックについても触れているので、参考にしてください。
高級食パンとは?
高級食パンとは2013年ごろから話題になり、2019年ごろにブームがピークになった食品です。
素材と製法にこだわりがあり、食パンにしては高価格であることが特徴となります。
現在ではさまざまな高級食パン専門店が出店され、食パンが手土産になることも珍しくなくなりました。
高級食パンブームの火つけ役は、意外なことにコンビニの「セブンイレブン」だといわれています。
セブンイレブンで話題になった食パンは「金の食パン」というものです。
金の食パンは、ちょっと高いけどおいしいセブンイレブンのプレミアムライン「金の〇〇」シリーズの一つ。
「金のカレー」や「金のハンバーグ」も有名ですよね。
金の食パンは生で食べるともっちり、しっとりしていて、焼くとさっくりとした食感がたまりません。
二枚で約150円と、コンビニの食パンにしては高価格にも関わらず大人気になりました。
金の食パンブームにより、おいしければ食パンは高くても売れることが明らかになり、高級食パンブームが始まります。
その後、高級食パン専門店の前駆者として「乃が美」などがオープンしたこともブームを後押ししました。
いまや高級食パンは、手土産や贈り物にできる名品としての地位を確立しています。
でも高級食パンブームはすでに去った?
日本では一つの食べ物が大ブームになり、そしてブームが去ることがよくありますよね。
では、高級食パンのブームはどうでしょう…?もう去ってしまったのでしょうか。
たしかに高級食パンは、2019年のブーム最高潮と比較するとメディアで扱われることが減り、新たな専門店の出店も減っています。
しかし、2021年現在では、新しく専門店ができるのとは異なる盛り上がり方を見せています。それは、既存の店が新しく高級食パンを扱うというものです。
たとえば2020年11月には「ファミリーマート」と高級食パン専門店「俺のBakery」がコラボし、俺のBakery監修「究極のしっとりもっちり食パン」が販売されました。
また、2021年3月には「モスバーガー」が「バターなんていらないかも、と思わず声に出したくなるほど濃厚な食パン」という名前の食パンを販売。
この食パンは予約限定で受注生産され、月に2回しか販売されないという人気商品となっています。
このような動きをみると、高級食パンブームは決して廃れてはおらず、定着して落ち着いてきたといえるのではないでしょうか。
なぜ高級食パンブームは廃れずに定着したのか?
現在まで、タピオカミルクティーなどいろいろな飲食物がブームになり、そして廃れていきました。
ブームが去る理由の一つは、その飲食物が日常的でないことです。
たしかに、タピオカミルクティーやリコッタチーズパンケーキを毎日食べ続ける人はあまりいないですよね。
しかし、食パンはとても日常的な食べ物で、毎日食べても飽きない人も多いでしょう。
そのため、高級でも毎日の食卓に取り入れやすく、廃れずに定着したのではないでしょうか。
また、高級食パンは手土産や贈り物としても人気です。
食パンを贈られて困る人は多くありません。
ましてやそれがブームになっている高級品なら、もらった人は嬉しいですよね。
高級品といっても百貨店の贈答菓子よりは安いので、気軽に手土産にできます。
つまり高級食パンは、贈る側・贈られる側両方にとって使い勝手がいいので、息の長い人気があるのです。
高級食パンの2大巨塔
高級食パン専門店の2大巨頭といえば、「銀座に志かわ」と「乃が美」です。
1、2を争う人気の専門店ですが、まだ利用したことがない人も多いかもしれません。
それでは、銀座に志かわと乃が美についてお話ししていきます。
銀座に志かわ
銀座に志かわは、2018年に銀座に第一号店をオープンさせた高級食パン専門店です。
銀座という立地に一号店があると、いかにも高級な感じがしますね。
銀座に志かわの扱う食パンは「水にこだわる高級食パン」一点のみで、味への自信のほどがうかがえます。
二斤で864円(税込)(2021年5月時点)と高価格ですが、予約をしないと買えないくらいの人気商品です。
銀座に志かわの一番のこだわりは、食パンに使う水です。
仕込み水にアルカリイオン水を使うことで、小麦粉やバターなどの旨みを引き出し、絶品の食パンに仕上げています。
そのまま生で食べると、ほんのりとした甘みをかんじることができて、トーストすると、さっくりモチモチした食感を楽しめます。
乃が美
乃が美は2013年、大阪の上本町で創業したパン屋です。
乃が美の食パンは、日本全国で一日に8万本以上売れることもある「生食パン」です。
銀座に志かわと同様、乃が美も食パンは生食パン一つで勝負しています。
乃が美は2016年の「パン・オブ・ザ・イヤー」で金賞に輝き、2017年と2018年には二年連続で「Yahoo検索大賞(食品カテゴリ)」を獲得しました。
Yahoo検索大賞とは、前年と比べて検索数がもっとも急上昇したワードに与えられる賞です。
乃が美への注目の大きさがうかがえるでしょう。
乃が美の食パンの特徴は、持つとずっしりと重く、口当たりがきめ細かく柔らかいことです。
これは、独自の創意工夫で生み出した、パン屋としては非常識なほどの柔らかい生地によるものです。
また、硬いと嫌う人も多い「耳」の部分まで柔らかく、ほんのり香ばしくておいしいことも特徴です。
さらに、卵を一切使わないため、卵アレルギーの人にとても喜ばれています。
最近、変な名前のパン屋が増えている!?
ところで最近、変な名前のパン屋を街で見かけることがないでしょうか。
セリフのような、キャッチコピーのような店名で、インパクトのある店構えなのに、なにを売っているのかよくわからない…
このパン屋はいまや全国に広がっており、そのネーミングのバリエーションもさまざま。
いくつか例を挙げてみましょう。
北海道
「暮らせばわかるさ」「あの人はナルシスト」
新潟県
「おい!なんだこれは!」
東京都
「題名のないパン屋」「考えた人すごいわ」「エモいよ君は」
三重県
「あらやだ奥さん」
大阪府
「わたし入籍します」
熊本県
「運命の一枚」
どれもとてもユニークですよね!ほかにもここでは紹介しきれないほどのバリエーションがあります。
どうしてこういったユニークなパン屋が増えているのでしょうか。
実はこれらのパン屋、経営母体は異なるのですが、一人のプロデューサーが仕掛け人として関わっています。
その仕掛け人とは「ジャパンベーカリーマーケティング」社長、ベーカリープロデューサーの岸本拓也氏。
2021年現在では約300店舗のパン屋のプロデュースを手がけています。
岸本氏はもともと、外資系ホテルでベーカリーショップのマーケティングを担当しており、その豊富なマーケティング経験から、興味を惹くネーミングのパン屋を生み出しています。
岸本氏のプロデュースは、店名を考えるだけではありません。
人の流れなどを分析して店舗の立地を考慮し、外装・内装をデザインし、商品開発まで手がけてくれるんです。
さらに、接客指導や集客のサポートも行います。
まさに至れり尽くせりのプロデュースといえるでしょう。
岸本氏プロデュースのパン屋は、飲食と関係のない会社が経営していることもあります。
こういったノウハウの提供がしっかりあれば、業界が異なっても安定した経営ができることがわかります。
しかし、プロデューサーが同じだからといって、パンの味も全て同じではありません。
これらのパン屋は、地域の需要や客層に合わせた特徴の食パンを販売しています。
例として、東京「白か黒か」では、マスカットレーズンをたっぷり練りこんだ「果樹のトリコ」や、和三盆をきかせて小倉あんを巻き込んだ「トレビあん」などがラインナップされています。
北海道の「暮らせばわかるさ」では、マスカルポーネチーズを隠し味にした「理想の朝」や、自家製シナモンクリームを巻き込んだ「至福の午後」が人気です。
ユニークな名前、店舗パッケージなのには理由があった!
前述した岸本氏プロデュースのパン屋は、どれもユニークな名前が特徴です。
また、店舗の外観もキャラクターをドーンと描いた、インパクト抜群のものが多くあります。
こういった特徴を店舗に持たせる理由は、岸本氏の「思い」が関係しています。
岸本氏がパン屋のプロデュースをするきっかけになったのは2013年。
東日本大震災の被害を受けた岩手県大槌町から依頼を受けたことでした。
街のパン屋が津波で流されてしまい「焼きたてパンを食べたい」との需要がとても多くなりました。
依頼を受けて開店したパン屋は、涙を流してパンを食べる人もいるほど非常に喜ばれました。
その光景に岸本氏は「毎日食べるパンの可能性って素晴らしい」と感激し、パン屋を作って日本じゅうを元気にしたい、と決意したんです。
たしかにそれぞれのパン屋のネーミングや外観は、なんだか元気が出てくるインパクトがありますよね。
また、どんな人でも読めて意味がわかりやすく、親しみやすいイメージもあります。
まさに、日本じゅうのどんな人も元気にできる魅力です。
さらに、パン屋はこうあるべきという既成概念にとらわれないほうが、人を喜ばせるアイディアが浮かんでくるため「限界を作らない」ことを重視しています。
「パンを買う」ことだけでなく、ユニークな店で購入した体験や、それを話題にするワクワクまで提供したいという思いを持っているんですね。
岸本氏プロデュースのパン屋は、看板や紙袋にパン屋と表記せず「何を売っているんだろう」と疑問に思わせるところも特徴です。
そんなミステリアスな魅力に、利用客はつい引き寄せられてしまうのでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は高級食パンについてのお話をしてきましたが、ブームから世の中に定着していくことは、飲食においてもそうですが、他のジャンルにもいえることかと思えました。
そしてなにより、今回に関しては「食パン」ですが、元々世の中に定着していたものからブームを作っていくというのも、なにかヒントになるかと感じました。
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著者プロフィール
小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。
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