飲食店でも派閥あり?-100年以上続くコカ・コーラとペプシの戦いについて-
みなさんはコーラといえば何を思い浮かべますか…?
今パッと思い浮かぶのはやはり、コカ・コーラですかね?
と、言ってしまうとなかには
「いやいやペプシでしょ!」という人もいるかもしれませんね。
ちなみに日本国内での比率は、コカ・コーラ派が約64%に対し、ペプシ派は約36%でコカ・コーラのほうが優勢のようです。
そんなコカ・コーラとペプシですが、実は100年以上も争っていることをご存知でしょうか。
そこで今回は、飲食店でも使っているのが別れているコカ・コーラとペプシの起源や特徴を解説しつつ、一世紀以上も続く戦いについて紹介します。
コカ・コーラ(コーク)について
今や200以上の国と地域で愛されているコカ・コーラの始まりは、1880年ころのアメリカジョージア州にある薬局。
「コカ」という「コカイン」成分が含まれた植物を使い、飲み物の研究を行っていた薬剤師ジョン・S・ペンバートン博士が生みの親とされています。
博士が開発した飲み物は、ワインにコカの成分を溶かしたもので、うつ状態の改善と活力がみなぎる薬として発売され、人気が出ました。
その後、欧米で盛んになった禁酒運動の煽りを受けて、博士はワイン以外の割り物を模索した結果、1886年にコカ・コーラを完成させました。
このとき、本来ならば原液を水で割って出すところを間違えて炭酸水で割って提供したのだとか。
しかし、これが意外にも大好評で、コカコーラは炭酸割りが決まりになったといわれています。
ちなみに、コカ・コーラの発売当初はコカインが含まれていたという話は、日本コカ・コーラ株式会社のホームページには一切掲載されていません。
また、同社は名前の由来についても完全否定していて、“語感”の良さから「コカ・コーラ」と名付けたとされています。
真相はどうなのでしょうね…!?
ペプシコーラについて
ペプシが誕生したのは、コカコーラの誕生から10年以上経った1898年。
元は、キャレブ・ブラッドハムという薬剤師の手により、消化不良の薬として1894年に開発されたのが起源です。
ペプシもコカ・コーラと同様に薬として開発されたんですね。
開発当初は、キャレブ・ブラッドハムの名前から「ブラッドドリンク」と呼ばれ、薬局で販売されていましたが、原材料のコーラナッツと消化酵素のペプシンから「ペプシコーラ」と名前を変更しています。
ちなみに、ペプシのシェアは南アジアやアフリカが比較的強いようです。
また、ペプシコーラを製造するペプシコでは、清涼飲料水やスナック菓子などの製造も行なっています。
なかでも、スナック菓子は北米で高いシェア率があり、ペプシ以外の海外進出も積極的です。
コカ・コーラとペプシの戦いの歴史
コカ・コーラとペプシは、お互いに良きライバルとして切磋琢磨しながら業績を伸ばしてきた…というわけではありません。
両社は、アメリカ国内はもちろん世界各地で100年以上も戦いを繰り広げてきました。
時には相手を本気で潰しにかかるような戦略も交えながら…。
ただ、この戦いはマーケティング戦略において、現代の飲食業界を生きる私たちも学ぶべきところがたくさんあるようです。
販売当初〜世界恐慌
コカ・コーラが発売されたのは1886年で、コカインが入っているという宣伝の影響もあって需要が拡大、売上は順調に伸びました。
特に、戦争で負傷した兵士には需要が高かったといわれています。
なぜなら、コカコーラに含まれるコカインはモルヒネ中毒に効果を発揮するからです。
一方のペプシは、1902年にペプシコーラ・カンパニーを設立して本格的な販売を開始し、第一次世界大戦の頃にはフランチャイズの工場を所有するほどに拡大しています。
ただ、戦争時における砂糖相場の乱高下の影響を受けて破綻。
コカ・コーラに身売りを依頼したものの拒否をされるという苦い経験をしています。
コカ・コーラとペプシの戦いが本格的に始まったきっかけは、1929年にアメリカから始まった世界恐慌です。
ペプシは原液の配合をコカコーラと同様のものにしたうえで、コカコーラよりも容量が多く、そしてコカ・コーラよりも安い値段で販売し始めます。
もはやヤケクソとも思える戦い方ですが、なんとこれが見事に成功。
世界恐慌の中で貧しい暮らしを強いられていた人々にとって、安い値段で飲めるペプシが受け入れられ、売上を大きく伸ばしました。
このペプシの攻勢に対してコカ・コーラも黙っていません。
コカ・コーラは、安売り競争は行わず、古き良きアメリカの理想を掲げたような高級路線の広告を作って対抗します。
コカ・コーラにクリスマスのイメージを持っている人も多いかもしれませんが、そのイメージが定着したのもこのときですね。
そして、コカコーラとペプシの戦いにとって、大きなターニングポイントとなる第二次世界大戦を迎えます。
第二次世界大戦〜ベトナム戦争
コカ・コーラは、真珠湾攻撃後を受けてすぐに「コカ・コーラを世界中の米兵が飲めるようにする」と発表し、軍需品としてコカ・コーラが使われるようにしました。
1,600万人を超える兵士がいたとされるアメリカ軍に採用されれば、そのぶんだけ需要が上がりますよね。
しかも、戦時中は砂糖に供給制限がかかることがありますが、軍需品は優先されます。
砂糖を多く使用するコカコーラにとって、戦争は企業規模拡大の契機になったと言えます。
戦争によってできあがった兵隊とコカ・コーラの関係性によって、コカ・コーラのアメリカ国内での立ち位置は確実なものになりました。
国を救ったヒーローたちに愛された飲み物という印象が強く、多くの国民に受け入れられたのでしょう。
一方、コカ・コーラに先を越されたペプシも動き出します。
時は1959年のモスクワで、アメリカ博覧会という450以上の企業が参加するイベントがありました。
ここに参加したのがペプシです。
当時のソ連指導者のフルシチョフがペプシを飲む動画が話題となり、ソ連と初めて契約したアメリカの商品となりました。
その後20年間の独占販売にペプシは成功しています。
そして、1960年代始まった「ペプシジェネレーション」という若い世代に向けたキャンペーンで、新しいブランドイメージ戦略に乗り出します。
戦後のベビーブーム世代をターゲットにして「若者が主人公だ!」というようなCMを6~8年かけて行いました。
若者にターゲットを絞り込んだキャンペーンは、ペプシの知名度を上げるのに大いに役立ったはずです。
もちろん、このままコカ・コーラが黙っているはずもありません。
ペプシの中国進出のチャンスを潰したり、ブラジルの工場を閉鎖に追い込んだりと、次々と攻勢を仕掛けます。
特に、ブラジル工場の件では、ペプシが操業する直前にコカ・コーラがブラジル中のスーパーと独占契約を行うという離れ業を繰り出します。
ペプシはブラジル国内にあるスーパーへの販売ができなくなり工場は閉鎖、そして莫大な損失を出す結果になりました。
このように、コカ・コーラのほうが一枚も二枚も上手だったと言えるかもしれませんね。
ペプシチャレンジとカンザス計画
1975年、ペプシは新たなキャンペーンを始めます。
それが「ペプシチャレンジ」です。
ペプシは、毎週アメリカ各州で一般の人を対象に、コカ・コーラとペプシのラベルを隠して飲み比べしてもらうアンケートを行いました。
その結果、ペプシが美味しいと答えた人が多くいたのです。
この調査が行われたときの様子をCMに使ったところ大きな反響を呼びました。
コカ・コーラ側は、CMの真相を確かめるために同じことをコカ・コーラの社員に行いましたが、結果は半数以上の社員がペプシを選んでしまうというとんでもない事態に。
この結果に驚いたコカ・コーラの上層部は、ペプシに対抗するために味の改革に特化した「カンザス計画」という作戦を開始します。
作戦では、味で勝るといわれているペプシの味に近づくように調合した「ニュー・コーク」という新しいコーラを開発し、ペプシチャレンジと同様に目隠しテストを行いました。
その結果、ペプシよりも高い評価を得られ、自信を深めて販売に至ります。
ところが、このニュー・コークはコカ・コーラ史上最大の失敗と言われるほど悲惨な結果になります…。
これを飲んだ消費者からは「普通のコカ・コーラのほうがいい!」と酷評の嵐で多くのクレームが殺到してしまうのです。
カンザス計画の失敗によってアメリカ国内におけるコカ・コーラの人気は失墜し、ついにペプシが市場シェアをコカ・コーラから奪い取りました。
ただし、ペプシの天下はわずか3カ月でした。
コカ・コーラはすぐに「ニュー・コーク」の販売を止め、元のコークに軌道修正して王者の位置を取り戻しています。
コークは学校施設へ、ペプシは公共施設へ
その後戦いの舞台は「味」から「販売路線」へと移ります。
コカ・コーラは、アメリカ国内の学校を狙って戦略的なビジネスを展開しました。
体育館のない学校や老朽化が進んだ体育館を持つ学校をターゲットにした営業もそのひとつ。
立て直す費用や新しい体育館の建築費用をコカ・コーラが出資する代わりに、自動販売機を置いてもらうという手法です。
学校側は体育館を設置でき、コカ・コーラ側は自動販売機を設置できると同時に広告ができるというwin-winの関係性を構築しました。
一方のペプシは、公共施設をターゲットに営業をかけました。
自動販売機の独占契約の代わりに、ペプシの売上の一部を地域の財源として出資するという提案は見事に受け入れられました。
市町村としては、自販機ができて財源も増えるというメリットが大きかったのでしょう。
ただ、コカ・コーラとペプシそれぞれが行う戦略は、場所が限定的なのであまり長く続く手法ではありません。
そこで、次の舞台となったのがテレビの中です。
CM合戦
テレビのCMでのモデルとしてコカ・コーラはサッカーの王様として知られるペレを起用。
対するペプシはマイケルジャクソンを起用し、このときにペプシは初めてコカ・コーラの売上を追い抜いています。
また、ペプシはブリトニースピアーズとビヨンセ、ピンクの歌姫3人を起用したCMでも人気を高めました。
有名人を起用したCM合戦を行う一方で、お互いの会社を貶すようなCMも頻発させるなど、日本では考えられないようなCMも多数流れました。
日本で相手を貶すようなCMが行われないのは、相手を貶して優位に立とうとする表現のウケが良くないからです。
クレーム騒ぎになったり、起用した有名人のイメージが低下したりするおそれもありますよね。
日本国内のコカ・コーラやペプシで行っている独自のCMは非常に穏やかです。
たとえば、コカコーラは昔から有名な歌手を起用していて、大物アーティストもCMに頻繁に登場しています。
ペプシは日本オリジナルキャラのペプシマンを誕生させたり、アスリートや歌手を起用したりしていますね。
アメリカで始まったコカコーラとペプシの戦いは、現代では日本を含め世界中で繰り広げられていて、今後も続いていくのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今もなお続く、2つの飲料ブランドの戦いですが、通してみていくと時代やニーズに合わせて各々の戦略を立てているのがわかりますね。
変化に対して柔軟に対応しいく考え方、そして先見性を持った考え方は今の飲食店・飲食企業にも必要なものかもしれません。
あわせて印象的だったのが、カンザス計画で作られた「ニュー・コーク」が消費者から酷評をもらって、素直に元のコークに戻せたこと。
これは、開発当初は社内での評価はすこぶる高かったものの、「お客様の声が全て」という考えがないとそんな簡単にできるものではないはずです。
こうした考え方も経営戦略をしていくなかで大切なものかと思えますね。
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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。
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