【緊急特集】新型コロナウイルスによる今後の飲食業界と就職活動〜ウィズコロナ編〜
2020年1月6日、中国の武漢で拡大した新型コロナウイルス感染症について厚生労働省が発表してから半年が過ぎました。
世界に拡散されていき、日本国内でも感染者が増え続けて、4月7日には緊急事態宣言を発出して外出の自粛、「Stay Home(ステイホーム)」となりました。
さらには、2020年7月に開催される予定であった東京オリンピックの延期も決定となり、日本は大きな打撃を受けてしまいました。
また、緊急事態宣言が明けて、第二波として感染者がまた増え始め「ウィズコロナ」の終息が見えない状況の中、かなりの被害を受けているのは飲食業界ではないでしょうか。
そこで今回は、コロナウイルスによる飲食業界の影響と今後の就職活動についてお話をしてまいります。
コロナウイルスが与えた飲食業界への影響
前述の通り、コロナウイルスによって日本経済はかなりの打撃を受けたことは間違いありません。
倒産してしまった企業、止むを得ず長期休業をしないといけない企業も出てしまいました。
日本にはおおよそ359万社もの企業が存在しているといわれています。
その企業の中の99%が中小企業を占めていて、日本経済を支えているといっても過言ではないでしょう。
そこで、政府の対応としては「前年同月比で売り上げが50%以上下がってしまった」企業だけを対象にして、
事業継続の支えにと持続化給付金を支給しました。
こういった給付金はありがたいことではありますが、飲食業界にとってはすでに手遅れになってしまっている状況の企業・飲食店も少なくはありません。
有名ホテルもキャンセルが相次ぎ、多くのホテル経営企業が破産申請・倒産が続き、外食産業でもロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスも業績予想を大幅な下方修正をして138億円もの赤字になると見込みを発表しています。
ロイヤルホールディングスだけでなく、チェーン店を運営している飲食企業は下方修正・店舗閉鎖、海外事業の撤退が続いており、苦戦を強いられている状況ではあります…。
企業だけではなく、個人店の多くは営業しないと生活できないという理由でしょうがなく営業を続けているところもあるようですね…。
コロナ禍で戦う飲食業界
ネガティブな話題が尽きない昨今ですが、こういった状況の中でも飲食業界ではコロナ禍に屈せず、対策や新しい戦略を始めています。
そこで今、多くの飲食店が始めているのが「テイクアウト・お弁当販売・デリバリー」です。
今までお客様が来店されて料理・サービスを提供することだけが日常だと思っていた飲食店・企業がこういった状況に対応して営業のカタチを変化させてきています。
先が見えない不安な状況下でも、「食」でお客様に笑顔になって欲しい、元気にさせたい!という想いを胸に、日々頑張っているのです。
できたてラーメンをお持ち帰り!?
テイクアウトについて、実際にあった事例をひとつ挙げましょう。
店内で食べると感染のリスクを伴うということで、特に懸念されていた飲食店が「ラーメン屋」です。
席数が少ないながらも、回転率が非常に高いので収益率も良い仕組みではありますが、席数が少ない分、お店が狭いので密になりやすい店舗が多くなっていました。
そこで、家系ラーメンの大御所「町田商店」を経営する株式会社ギフトは、テイクアウトの需要があることをキャッチして、4月1日から40店舗でテイクアウト販売を始めました。
テイクアウトだと容器代がかかってしまって、店内で食べるより高くなる…という懸念点を持たれている方もいますよね。
しかし、町田商店は「軽減税率による消費税の差分」という下で、容器の代金は取らずに店舗で食べる際の価格と同一となっているようです。
ラーメンなのに麺は伸びないの?
という疑問に関しても、容器の下段にスープ、上段に麺(生麺か茹で麺か選べるそうです)と仕切られているので伸びる心配はなさそうです!
テイクアウトを始めたことにより、お客様からも大好評だったようで、期間限定でおこなう予定だったものの、テイクアウト販売を延長されているようです。
お弁当販売をはじめて、スタッフのモチベーションもアップ!
テイクアウトと通じるものがありますが、お弁当の販売を始める飲食店も増えてきました。
このお弁当販売に関してですが、お客様が喜ぶだけではなく、働くスタッフにも良い影響があるようです。
いつもだったら、お客様がご来店されて、注文を受けた料理を作る、そしてまた新しいメニューを考える…ということができましたが、今ではお客様が来られない状況なので、それができなくなってしまいました…。
こういった状況に陥ると、スタッフのモチベーションは著しく低下してしまうものです。
しかし、お弁当をはじめる!ということになれば、新しいジャンルに対するチャレンジ、新しいメニューの開発ができるという、仕事に対するモチベーションも上がるのです。
見かけない日はもうない!?急増するフードデリバリー
ファストフード店に行くと、見かけることの多くなったフードデリバリーサービス。
日本国内でのフードデリバリーアプリで主要なものといえば、下記の4つです。
- Uber Eats(ウーバーイーツ)
- 出前館
- dデリバリー
- 楽天デリバリー
そしてこの中で、利用者・利用率が急増しているのが「Uber Eats(ウーバーイーツ)」です。
もともと海外では頻繁に利用されていたのですが、日本では2年遅れてサービスが開始されました。
ウーバーイーツは特に20代の利用者が多く、コロナウイルスの影響で家にいることが増えるので利用率も爆発的に伸びているようです。
もちろん、ファストフードだけではなく企業が経営する飲食店・個人経営の専門店もデリバリーを導入する動きも増えているので、フードデリバリーはコロナ禍の飲食業界を支えてくれる非常に大きなピースとなっています。
コロナ禍での今後の就職活動
現在、就職・転職活動をしている方々から、コロナウイルスによって活動がうまくいかずに困っているという声を多くいただいています。
その中で、新卒の就活生からは「経営が厳しいので、内定が急に取り消しになってしまったので新しい就職先を見つけないといけなくなった」という相談や、転職活動中の求職者さまからは「オーナーが飲食店をどんどん閉店にして、他のメンバーも解雇にしているので、この先どうしたらいいか」など、将来不安になるという相談を多く受けています。
企業は今も採用活動をしているのか?
前述の話を聞いていると、採用する企業側は人を採る気ないんじゃないの…?と、不安に思いますよね。
しかし、答えはNOです。実際には企業の採用意欲は変わらず高い傾向にあります。
実際に、コロナウイルスによって厳しくなってしまった状況の変化に対応している企業は採用を継続していますし、新店の計画も進めているところもあるほどです。
あわせて、大手就活サイトの調査でも新卒の採用は増加傾向にあるため、中途・新卒関係なく募集している飲食企業は多く存在するといえます。
実際に、先ほどラーメンのテイクアウトでお話しをした、株式会社ギフトも来期の採用計画では過去最多の2,200名の採用計画を出しています。
コロナ禍で採用企業側はどういった対策をしているのか?
緊急事態宣言で外出の自粛があり、解除された現在でも感染者は増えているなかで、感染を防ぎながら就活ができると話題となっているのが「WEB就活」です。
WEB就活とはクラスター感染のリスクがある会社説明会や面接などを直接会っておこなうのではなく、ネットを使いながらおこなう新しい就職活動です。
直接会わずに、ということでテレビ電話、最近でいうとZoomアプリを使った合同説明会や面接をおこなっているのです。
感染のリスクを抑えられるという点でWEB就活を積極的に取り入れている企業は多く、飲食の企業も徐々に増えてきました。
また、WEB就活を取り入れている企業は感染対策をしっかりしているなと、求職者は企業に対する印象も良くなるようです。
そして、求職者さまにもWEB就活は大きなメリットがあります。
それは時間面と金銭面の部分です。
転職したくても在職中の方ですと、面接まで行く時間が全くないという理由で転職活動が思うように進まなくて諦めている方でも、移動時間がなくなるだけでだいぶ調整が利きやすくなるのではないでしょうか?
移動時間に関していうと、上京して働きたい地方の就活生はWEB就活をおこなうことができれば、移動時間を勉強の時間に充てることもできるでしょう。
また、金銭面としても就職・転職活動は交通費がかさむので、こういった部分がなくなるだけでも助かりますよね。
前述での地方の就活生も新幹線だと高くなってしまうから高速バスで…ということも考えなくていいのです。
最近では直接お会いして、パーテーションを組んでソーシャルディスタンスを取りながら会社説明会・面接をおこなう企業も増えてきてはいますが、このウィズコロナの時期はWEB就活が一般となるでしょう。
まとめ
コロナウイルスの影響により、日本の飲食業界は甚大な被害を受けたのは事実ですが、その中でもこの状況に対応して、企業努力を続けて営業しています。
そこでお客様を笑顔にさせて、元気にさせているのは飲食店含め外食の文化は、私たちのなかで切っても切れない存在だと思えますし、改めて食のチカラを実感できました。
そして、変化に対応し努力を続けている優良企業は、採用をストップすることなくWEB就活を駆使して人材を確保しているのです。
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著者プロフィール
小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。
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